意志と力(有益)

君はいま夢を見ていないとどうして言えるの

偽りの結婚式

結婚式に参列してきた。沖縄まで。

新郎新婦共にわたしの知らない人。そのときはじめて会った。何故そんなことになったかと言うと新郎のリアル友人がわたしの会社の先輩で、その新郎があまりにリアル友人が少なく、これでは結婚式の体をなさないというので会社の先輩を通じわたしにまでお呼びがかかったというわけで、いわゆる「サクラ」。

結婚式にサクラとして出席するなんて面白そうだったので行ってみたんだけど、結論から言うと時間の無駄だった。観光とかほとんどできなかったし。

前日に那覇空港で会社の先輩と待ち合わせ。そこからレンタカーで結婚式会場へ向かったんだけど場所は忘れたけどいわゆるリゾート地でまわりは海しかないようなところだったので、そのままホテルのレストランとバーで先輩と飲んでるだけで一日が終わってしまった。

翌日、サクラとして挙式を見届け、バレないように適当に写真なんか撮ったりして披露宴にも参加。新郎友人席がわたしと先輩を入れて6人、うちリアル友人が先輩ともうひとりだけ、残り4人がフェイク、つまりサクラだった。友人が少な過ぎるのでは?

司会の人が「新郎新婦のご希望で今日はアットホームな結婚式を」とか言ってたんだけど、確かに人は少なめで全部で30人くらいだったけども、そのうち4人が部外者だから。アットホーム感ないよ。むしろ通常よりアウェイだよ。

我々がサクラであるということは、新郎と当事者同士しか知らない。新婦友人も、親族も、新婦も知らない。だから新郎のお父さんがビールを注ぎにきたときはさすがに少々焦った。「息子がいつもお世話になってます」「いえいえこちらこそ」「奴は昔から無茶するところがありましたから優しく見守ってあげてください」「いえ、わたしの方こそいつも助けてもらってます」とか言っちゃって。

サクラ同士も、まあお互い適当にやりましょうや、というぎこちない感じで終始。お互いの仕事の話とか少しして、それ以外特に話すことないの。まあそうだよね。

昼過ぎには結婚式が終わり、その後すこしホテルでだらっとしてからシャトルバスで空港へ。サクラ体験、面白いかなと思って行ったんだけど、あんまり面白くはなかった。疲れた。虚しかった。知らない夫婦の嘘のためになんでおれの土日がつぶれんねんと。沖縄の海自体はやっぱ最高だったけども(でもずっと雨だった。まるでこの夫婦の未来を暗示しているかのようである)。

宿泊費と交通費は新郎のポケットマネーで全額支給。ご祝儀は渡してない(そりゃそうだ)。サクラの手配代だけで結構な額がいったんじゃないかと思う。なぜ沖縄なんかでやったし。

やはり結婚式なぞするものではないと改めて思った。帰りし、那覇空港ジンベイザメのぬいぐるみを購入。